日本橋 弁松総本店の折詰弁当「並六」と「たこ飯」。1850年(嘉永3年)創業から変わらない絶品の江戸の味です。

ごはん

日本橋室町一丁目にある弁松総本店の弁当は予約販売のみの販売なので、普段買うのには、出店のあるデパートなどがおすすめです。グランスタや銀の鈴もある、東京駅八重洲地下中央口の改札から出て直ぐの、大丸東京店の弁松で「並六」と「たこ飯」を買いました。


弁松総本店のルーツは、越後生まれの樋口与一が1810年(文化7年)に日本橋に構えた「樋口屋」という食事処です。店はたいそう評判が良く繁盛したのですが、魚河岸の人たちは忙しいので、全部食べられずに店を後にすることが多かったのです。

そこで残った料理を経木(きょうぎ)などに包んで持ち帰ってもらうようにしたところ、これが大好評になり持ち帰りを注文する客が増えていきました。二代目の樋口竹次郎の時代には、はじめから竹皮に包んだ弁当を販売するようになります。

スポンサーリンク

三代目の樋口松二郎の時代には弁当販売が主流になり「弁当屋の松次郎」こと「弁松」と呼ばれるようになっていました。松二郎は食事処を店じまいし、1850年(嘉永3年)に折詰料理専門店「弁松」を創業したのです。

その美味しい弁当は、徳川御三家の要人が注文に訪れたり、日本橋から埼玉まで大八車で弁当を届けた記録もあるほど。それから現代まで、その江戸の味を変えることなく作り続けているのが「弁松」です。


弁松の弁当の中でも、一番スタンダードで人気があるのが、この「並六(なみろく)」。“並”は弁松の規格サイズのこと。“六”は六寸を意味しています。折詰の外寸10×16×2.7cmがそのまま名称になっています。ご飯は白米の「白」と、赤飯の「赤」がありますが、赤を買いました。

弁松の弁当の特徴はとにかく、濃い・甘いです。それでいて一品ごとに、こだわりと丁寧な仕事が施されているので、美味しく食べながら感心してしまいます。

この味の理由には3つ。1つ)日持ちを良くするため。2つ)魚河岸の人々の力仕事を考えて味は濃く、ハイカロリーに。3つ)ハッキリした味を好み、高価な砂糖も見栄を張って沢山入れた。ということです。この味を現代に合わせて薄くしてしまったら弁松の弁当じゃなくなってしまうので、ファンがいる限りこの味を守り続けるそうです。


弁松の折詰弁当の主なおかずの種類はそう多くはありませんが、全てが逸品です。並六には、めかじき照焼、玉子焼、蒲鉾、豆きんとん、生麩、蓮根、里芋、筍、ごぼう、椎茸、生姜の辛煮が入ってます。こだわりのおかずを紹介しますね。


★玉子焼
弁松の弁当作りの最初の仕事は、玉子焼を焼くところから。夜中にその日に使う玉子焼を焼きます。しかも手焼きです。職人さんが、一度に三つのガス台で三本の玉子焼を焼いていきます。甘くて出汁のよく効いたこの玉子焼は弁松の弁当の王様です。

★野菜の甘煮
甘いは“うまい”。甘煮は“うまに”と読む語源はそこからです。蓮根、里芋、筍、ごぼう、椎茸と、どれも最高の仕上がりです。特に夜通し煮込んだ里芋は、僕の中では日本一。

スポンサーリンク


★めかじきの照り焼き
弁松が選ぶメカジキは脂が乗っている100Kg以上のもの。魚河岸では“脂メカ(とろメカジキ)”と呼ばれてます。刺身で食べてもいい品質です。これを職人が弁松特性のタレを何度も塗りながら、照り焼きにします。何も知らずに食べても、その程よいかたさの身と脂の乗り具合の旨さに驚きます。

★お赤飯
赤飯は小豆のおこわ(お強)。こわい=かたい、という言葉どおりの固めのお赤飯が、また美味しくて人気なんです。夜買いに行くと並六の赤は、売り切れていることが多いです。僕も並六を買うなら赤です。

★豆きんとん
これも嬉しい一品。お腹いっぱいになった時の、この豆きんとんは完全に良質なデザートです。大好きです。金団(きんとん)は金運を意味します。弁松のきんとんは豆で「まめに働いて財を成す。」という意味が込められています。

★生姜の辛煮
弁松の弁当には欠かせない口直し。生姜と昆布を辛口に煮たものです。午前中に弁松の前を通ると、これを煮る匂いが漂ってるそうです。


大丸東京店限定のたこ飯弁当。弁松お馴染みのおかずに海老が加わり、これまた名物のたこ飯が味わえます。


柔らかく風味豊かなタコが沢山入ってますよ。白と赤に加えて、たこ飯も一度は食べておきたいです。

弁松の折箱は、今では珍しい本物の経木(きょうぎ)です。北海道のエゾ松とクロ松の間伐材から作られたものです。殺菌効果があり通気性にも優れた折箱。木の香りも心地よいです。

最初から最後まで、こだわり抜いて作られている弁松の弁当は、そのこだわり通りの味わいにキッチリと仕上がっています。こんなに美味しいこだわりの弁当にしては随分と良心的なお値段なのも、本当の江戸前なんじゃないかと思います。

日本橋 弁松総本店(大丸東京店内)
〒100-6701 東京都千代田区丸の内1丁目9-1

大賑わいだった日本橋の魚河岸の歴史を知る

日本橋魚河岸発祥の地は、いま「乙姫の広場」。江戸時代は佃島から運ばれる魚や、諸国の海産物で大賑わい。
日本橋北詰の東側「日本橋魚市場発祥の地」の周辺には江戸時代には魚市場発祥とされる「魚河岸(うおがし)」がありました。ここには、それを記す石碑が立ち「乙姫様」の像も鎮座する「乙姫の広場」とも呼ばれている場所。その生い立ちの歴史を少しだけ紐解きます。

[ 広告 ]

『ミラブルキッチン』
ウルトラファインバブル生成《キッチン水栓》

ウルトラファインバブルは、超微細気泡の油分への吸着作用が油汚れにも効果を発揮《強力洗浄》します。またそのミスト水流は、肌にやさしく毎日の炊事での手荒れに効果的です。
《限定特典、限定プラン多数》
どこよりも安い期間限定「平日ご優待プラン」が人気!圧倒的低料金でのプランが販売できるのは、通年で用意できるものではないから。