崎陽軒の「シウマイ弁当」は、もう知らない人は誰もいないとさえ言える駅弁。それもそのはず、その販売範囲はかなり広く、販売数は日本一で、毎日2万食以上も売れているのです。駅弁というより、まさに『シウマイ弁当』としか言いようがない確固たる存在感です。

横浜に本社を置く崎陽軒は、1908年(明治41年)に現在の桜木町駅(旧:横浜駅)で構内販売業者として開業しました。横浜駅の名物を作るべく、中華街で出されていた「焼売」に目を付け、1928年(昭和3年)に発売したのが“シウマイ”です。そのシウマイを主役にした「シウマイ弁当」は1954年(昭和29年)に発売されました。
お馴染みのシウマイ弁当の内容は、シウマイが5個、鶏の唐揚げ、玉子焼き、蒲鉾、鮪のつけ焼き、竹の子煮、昆布、生姜に、俵型のご飯に黒胡麻と梅です。
シウマイにカラシをチョンチョンチョンと付けて醤油を垂らしていただきます。冷めても美味しく食べられるようにと、ホタテの干し貝柱を練り込み、揺れる列車の中でも難なく一口で食べられるように、直径約3cmのこのサイズになっています。
崎陽軒は、シウマイでも他のオカズにしても、冷めても美味しく食べられるようにという考えが基本にあります。この弁当のご飯も炊くのではなく、蒸しあげることで冷めても美味しさを維持する一つの工夫です。おこわのようなモチモチとした独特の食感も、シウマイ弁当を印象深いものにしていますね。
カジキかと思いきやの、マグロのつけ焼きも、硬くなることのない程よい食感に仕上がっています。
ところで、この「シウマイ弁当」の食べ方に関してですが、パッケージ通りに縦でご飯を手前にして食べますか?それとも横にして食べますか?
僕は知人とこの件に関してしばらく話したことがあります。僕は縦、知人は横。いづれにしても、この弁当が美味しいことに変わりは無いのですが、お互いが主張するそのメリットの話は面白く興味深いものでした。
僕がTwitterでアンケートを行った結果では、パッケージ通り縦45%、ご飯を左にして横37%、ご飯を右にして横18%という結果でした。
デザートというか口直し的な存在なのだと思いますが、この弁当に入っているアンズも色々な物語を生んでくれそうな特徴的な一品ですね。
発売から、もう90年以上食べ続けられている日本一の販売数を誇る、崎陽軒の駅弁「シウマイ弁当」。何より、干し貝柱の入った旨いシウマイの不動の主役感・存在感には驚かされます。
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