JR秋葉原駅のミルクスタンドに見る小さな「コト消費」。総武線5番ホームで体験できます。

気になるスポット

JR秋葉原駅の総武線ホームには、ずっと昔から見かける「ミルクスタンド」があります。一つは新宿方面に向かう上り5番線の“ミルクスタンド”、もう一つが、千葉方面へ向かう6番線の“ミルクショップ酪(らく)”です。

どちらも秋葉原駅のガード下にある「大沢牛乳株式会社」という会社が商う、1950年(昭和25年)に開店したお店です。昭和25年と言えば、大平洋戦争の終戦から5年目で、ちょうど前年の昭和24年に国鉄(日本国有鉄道)が発足したそんな年、時代です。このミルクスタンドの長い歴史には驚かされます。

5番線のミルクスタンドに立ち寄り、コーヒー牛乳を飲んで行こうと、いくつか種類がある中から、お店のお姉さんがオススメだと言う、飛騨牛乳の「飛騨コーヒー」160円を頼んでみました。

噂に聞く早業で、お会計と同時進行で牛乳瓶の蓋を開けて渡してくれます。グビグビッと飲み干したら、空き瓶は返します。次の電車が来る間に、牛乳を飲んで行くお客さんに合わせたスピード感がありながら、落ち着き払った所作が心地いいのです。

スタンドには、クリームパン、あんぱん、ジャムパン、うぐいすぱんに、カレーパンなどのパンや、おにぎりまであるんですよ。その昔は牛乳を飲み干しながら、パンを鞄やポケットに押し込んで、電車に乗り込んで行ったサラリーマン達が良く見られたそうです。

パンやおにぎりなども加わり、開業当時は5種類ほどだった瓶入りの牛乳飲料は、今では、福島、群馬、長野、東京、岐阜(飛騨)、熊本(阿蘇)など、遠方からも集まり常時50種類以上にもなります。自動販売機全盛のこの時代に、それらが日に数千本、空き瓶になっていくほど売れているんです。何故?

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今は「モノ消費」から「コト消費」にシフトしていると言われます。すでに必要な“モノ”は、ほとんど手に入っているとしたら、望むのは、いい体験だったり、心地よい“コト”。ココロが喜ぶことに消費は動くというわけです。

ミルクスタンドなんて知らない大勢の若い人も、サラリーマンも、OLも…瓶入りの牛乳の蓋を開けてもらいに来る理由。そこに自動販売機で買うお茶やコーヒーとは違う160円ほどで得られる価値を見出しているのではないでしょうか?

とても小さなコト消費ですが、挨拶みたいな人感、声、瞬間に、本能的に幾ばくかの癒しを買い求めているのかも知れません。

ミルクスタンド
〒101-0021 東京都千代田区外神田1
JR秋葉原駅総武線ホーム5番線(新宿方面)