秋葉原の中央通りから西へ二筋めは、様々なPCパーツやジャンク品を扱うお店や飲食店が軒を連ねる通称「ジャンク通り」。そこに「カレーの市民アルバ」秋葉原本店はあります。
5店舗目となる、このお店のオープンは2014年(平成26年)。関東での“アルバカレー”の人気、美味しさが揺るぎないものとなった証とも言えるお店です。
アルバでの人気ナンバー1は「カツカレー」ですが、ボリュームさえクリアできるのなら一度は食べてみたいと心揺らぐ人気ナンバー2の「ホームランカレー」をオーダーしました。ステンレスの皿にキャベツの千切り、ご飯が見えないルーの掛け方、注文を受けてから揚げた、熱々サクサクのカツや海老フライに先割れスプーン。まさしく金沢カレーの王道の容姿です。
ホームランカレー
4つのメジャーなトッピング、カツ、海老フライ、目玉焼き、ウインナーの誰がホームランを打ったのかはさておき、満塁ホームランです。金沢のアルバに元メジャーリーガーの松井秀喜選手が足繁く通った逸話とも、かけているのでしょう。
カレールーは、ひと口目から、かなり美味しいです。味はどう食べても完全にカレーなのですが、フッと遠くにビーフシチューか、濃厚なデミグラスソースの風味が鼻を抜けることに気づく人も居るでしょう。
そう、アルバカレーはシチューがベースになっています。大量のタマネギ、野菜と牛肉を6時間以上煮込んで作られた、味わい深いカレーです。
見た目に圧倒されそうですが、度を超えたガツ盛りや大盛りとは別物だと思います。創業者の今度氏は「食べる人の健康にも気を遣い、塩分を少なくしています。その分、野菜とビーフから出るうま味でカバーしているんです。」と謳われる通り、実は優しいアルバカレー。
お腹を空かした男性なら、たとえそれが「ホームランカレー」だったとしてもペロリと食べてしまうでしょう。ご飯の量を少なくオーダーすれば、普通の女性でも美味しく楽しめるレベルです。
アルバカレーの歴史は古く、 石川県小松市に最初のお店を開いたのは1971年(昭和46年)です。創業者の今度忠氏は、鉄道弘済会が運営する金沢のレストラン「ニューカナザワ」で、1955年(昭和30年)に4人の料理人に出会い、お互いに切磋琢磨します。
最終的に4人ともそれぞれカレーのお店(田中吉和氏「チャンピオンカレー」、宮島幸雄氏「キッチンユキ」、野村幸男氏「インデアンカレー」、高田義教氏「うどん亭 大黒屋」)を開業し、今の様々な“金沢カレー”の源流となっています。
また、今度氏の兄も料理人で「チャンピオンカレー」の田中吉和氏のもとで修行しています。今度氏自身はデンマークのコペンハーゲン、ドイツ、イタリア、スペインなど、ヨーロッパで2年間にわたり西洋料理の基本を習得し、金沢を代表するカレー店すべてを知り尽くしたのちに開業に至っています。
店名の“アルバ”は、スペイン語で夜明けや日の出を表し、今度氏がスペインのサンタンデールで出会った言葉から名付けられたものです。
人気ナンバー1のカツカレー
人気ナンバー1の「カツカレー」です。揚げたてのカツとアルバのカレーがベストマッチします。やはり不動の人気に納得の美味しさです。テーブルには真っ赤な福神漬けが置いてあるので、好きなだけ入れて食べましょう。
お店の外に掛けられたのれんには「加賀カレー」とあります。これは、かつて今度氏がアルバカレーを全国に広めたいという夢を、高校時代の先輩にあたる塚本勲氏(加賀電子の社長)に語り、塚本氏は、すぐさま外食産業専門の子会社「KGF」を創り、2人で夢を叶えて来たことに由来するのでしょう。
“金沢カレー”とは?と聞かれたら僕はこう答えます。「金沢の洋食レストランで培われてきた、デミグラスやシチューなどをベースにした濃厚な欧風カレーの進化系です。」と。
“旨味”という点で、洋食屋さんの欧風カレーを凌駕している可能性すらあります。「カレーの市民アルバ」の美味しいひと皿を食べてみれば、それが金沢カレーだとわかります。
アルバ 秋葉原店
〒101-0021 東京都千代田区外神田3丁目2−9
★秋葉原エリア『食べ歩いてみたよ』美味しいランチまとめ

●“金沢カレー”の源流とも言える「チャンピオンカレー」のレトルト。

●「ゴーゴーカレー」のレトルトもお店と変わらないと思います。あのゴーゴーカレーの美味しさそのものです。
