春紫苑(ハルジオン)の花言葉。それは“今昔物語集”の「思い草」と「忘れ草」のお話に通じています。

花や植物

ハルジオン(春紫苑)は、北アメリカ原産のキク科の植物で、大正時代に観賞用として日本に入ってきました。花は4月下旬から5月上旬に咲き、道端や公園、原っぱなどで、その姿がよく見られます。

よく間違えられる“ヒメジョオン”は、花びらが太いことや、開花時期が6月ごろと“ハルジオン”よりも遅い事などで見分けることが出来ます。

ハルジオンの花言葉は「追想の愛」。これは“春紫苑”の名が、昔から日本にある“紫苑”と言うキク科の花に姿が似ていることに由来し、「紫苑」の花言葉である「君を忘れず」から来ているものではないでしょうか。

紫苑は、その紫色が高貴な色をしていたので平安時代から貴族たちも好んで庭に植えて観賞していた栽培種で、「今昔物語集」にも物語が記されています。

「兄弟二人、萱草、紫苑を植ゑ(え)し語」という父を慕う兄弟の物語です。父を亡くした兄弟は嘆き悲しみ二人で墓参りを続けます。しかし…

兄は朝廷の仕事が忙しくなり、父の墓参りになかなか行けなくなってしまい、墓前に「忘れ草」である“萱草(カンゾウ)”を植えます。対して、弟は、見た者が忘れることがないと言われる「思い草」の“紫苑(シオン)”を植え、欠かさず墓参りを続けます。

弟は、父の墓を守る鬼から、未来を予知する能力を与えられ、以来、不測の事態を避けて生きて行くことが出来ました。お話の最後は、「嬉しいことがあったら紫苑を、忘れたい憂いがあったら萱草を植えて観るのです。」で終わります。

兄を悪いとするオチとせずに、決して悪気ない、複雑な人間事情を察した教えは感慨深いものがあります。

ハルジオンは、1980年代に除草剤に耐性を持った個体が出現し、分布が拡大。生態系に悪影響を与える要注意外来生物に指定されています。僕が何年も何時も見守っている野原では、沢山の種類の草花は競い合っているようですが、順番に繁茂し、花が咲くサイクルも今のところ奪い合うことなく、続いているように思います。

「追想の愛」の花言葉を持つ“春紫苑”。在来種と上手く共存してくれることを願います。

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