端午の節句を知らせる「矢車菊（ヤグルマギク）」の深く青い花。花言葉“教育”とドイツの国花「カイゼル（皇帝）の花」のお話。

「矢車菊（ヤグルマギク）」は、ちょうど5月5日の端午の節句が近くなったのを知らせるように、4月の下旬から咲き始めます。“鯉のぼり”のてっぺんでクルクル風に回る“矢車”に姿が似ているので、この名前になりました。

英名は「コーンフラワー（Cornflower）」で“小麦の花”。もともとはヨーロッパの麦畑のそばで良く咲いていた雑草だったことにちなみます。日本には明治の中頃にやってきたそうです。

宝石サファイアの中でも最高の色のことを“ コーンフラワーブルー”と呼ぶように、この花の青は「青の中の青」、綺麗な深いブルーをしています。今では園芸用に品種改良され、青以外にも、赤、ピンク、紫、白など様々な色があります。

花言葉は、「繊細」「優美」「教育」などです。プロセイン王国（今のドイツ）にナポレオンが攻め込んできた際に、時のプロイセン王妃ルイーゼは、子供（王子）たちと共にベルリンから逃れ、麦畑に身を潜めるのです。その時にルイーゼは子供たちに矢車菊で花冠（かかん）を作ってあげました。

この時の子供の一人が、初代ドイツ皇帝ヴィルヘルム1世となり矢車菊を皇帝の紋章とします。今でも矢車菊はドイツの国花であり「カイゼル（皇帝）の花」と呼ばれています。このルイーゼ王妃のお話が、花言葉「教育」の由来と言われています。

端午の節句を知らせる、鯉のぼりの“矢車”に似た“矢車菊”は、綺麗な深いブルーもさることながら、王子が立派に育った花言葉「教育」の由来も、“こどもの日”にはふさわしい花ですね。

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