春の草花をミルクピッチャーに生けて、小さいフラワーアレンジメントを作ってみます。

花や植物

4月の下旬から5月の中旬あたりの季節は、草原や空き地、道端、公園などに、春から初夏の草花が様々に咲き乱れ、新緑とともに足元を華やかに彩ってくれます。そのままに散歩の折に楽しむのもいいですが、少々摘んでミルクピッチャーに生けて小さいフラワーアレンジメントにしてみるのも楽しいですよ。

こうした草花は市販されている切り花とは違って、水の吸い上げがあまり上手でなかったり、そもそも太陽光が無いと花を閉じてしまうものもあるので長時間持たせることは難しいのですが、持ち帰って、その種類・品種、花言葉やまつわる話などとともに、驚くべき繊細さ・綺麗さを、ゆっくりとよ〜く観察するのはとても楽しいですよ。


今回生けた草花については以下をお読みいただくとして、これ以外にもシロツメクサやムラサキツメクサ、キュウリグサ、庭に咲くチェリーセージなどなど…。まだまだ魅力的な沢山の草花が咲いていますから、ご興味のある方はぜひやってみてくださいね。それぞれ小さい草花ですが、どれぐらいのボリュームでどういうアレンジメントにしようか想像しながら摘んできましょう。

春紫苑(ハルジオン)


ハルジオン(春紫苑)は、北アメリカ原産のキク科の植物で、大正時代に観賞用として日本に入ってきました。花は4月下旬から5月上旬に咲き、道端や公園、原っぱなどで、その姿がよく見られます。花言葉は「追想の愛」。これは“春紫苑”の名が、昔から日本にある“紫苑”と言うキク科の花に姿が似ていることに由来し、「紫苑」の花言葉である「君を忘れず」から来ているものではないでしょうか。

紫苑そのものは、その紫色が高貴な色をしていたので平安時代から貴族たちも好んで庭に植えて観賞していた栽培種で、「今昔物語集」にも物語が記されています。「兄弟二人、萱草、紫苑を植ゑ(え)し語」という父を慕う兄弟の物語。父を亡くした兄弟は嘆き悲しみ二人で墓参りを続けます。しかし…

兄は朝廷の仕事が忙しくなり、父の墓参りになかなか行けなくなってしまい、墓前に「忘れ草(萱草)」を植えます。対して、弟は、見た者が忘れることがないと言われる「思い草」の“紫苑(シオン)”を植え、欠かさず墓参りを続けます。お話の最後は、「嬉しいことがあったら紫苑を、忘れたい憂いがあったら萱草を植えて観るのです。」で終わります。

兄を悪いとするオチとせずに、決して悪気ない、複雑な人間事情を察した教えは感慨深いものがあります。

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赤花夕化粧(アカバナユウゲショウ)

赤花夕化粧(アカバナユウゲショウ)は、南アメリカから北アメリカの南部が原産の植物で、明治時代に観賞用として日本に入ってきました。今では野生化し道端や空き地などで普通に見られるほど繁殖しています。4月の下旬から9月頃まで、花径10〜15mmほどの鮮やかで淡いピンク色の花を咲かせます。

“赤花夕化粧”という艶のある花の名前は、夕方頃に可憐な花を咲かせるところに由来してます。それ以上の正確なことは解らないのですが、この花は、ピンク色の花びらに赤い脈が入っていて、小さい花ながら遠目にもそれが際立ちます。それこそ「紅をさす」かのようなサマを“化粧”になぞらえたのではないでしょうか?

名前から想像する何かしらの“物語”を、さらに膨らませるような「臆病」、「移り気」、「ほのかな恋」、「浴後の美人」が、この花の花言葉です。実際にはこの花は、晩春から秋口までの季節を、朝から夕方まで太陽をつかまえて、元気よく咲き続けます。僕だったら、この花の名前は「薄紅小町」ぐらいに名付けたかもしれません。

片喰(カタバミ)


写真は大黄花片喰(オオキバナカタバミ)で、南アフリカのケープタウン原産で鮮やかな黄色い花を咲かせます。園芸品種として日本に入ってきましたが、今では公園の植え込みや、歩道の傍らなど様々な場所で野生化しています。

それとは別に、小さくて黄色い花を咲かせる片喰(カタバミ)は、昔から日本にあります。花言葉は「輝く心」「喜び」などです。カタバミの仲間の葉は、ハート型の3枚が一組になっていて、よくクローバー(シロツメクサ)と間違えられます。花が咲けばクローバーで無いことは一目瞭然です。

カタバミは昔から人との関わりも深く、シュウ酸を多く含む、その葉で鏡や金属を磨くのに使われ「鏡草」とも呼ばれていました。また、一度根付くと絶やすことが難しい様を「家が絶えない。」縁起の良いものとして、家紋の図案として多く使われ、五大紋の一つとなっています。

ちなみに五大紋は、藤、桐、鷹の羽、木瓜、片喰(カタバミ)の5つの紋です。片喰紋は広く大衆にも使われたことから、5大紋の中での占有率は最も多いのです。

庭石菖(ニワゼキショウ)


道端に咲く濃いピンク色、白色をした小さい花。「これは雑草なんだろうか?」この花を始めてみた時は、そんな風に思ったのを覚えています。花の名前は「庭石菖(ニワゼキショウ)」で、北アメリカ原産のアヤメ科の花。

そろそろ強い日差し、暑い日も増え始める5〜6月頃。芝生や荒れ地、道端で花径1cmほどの小さな可愛い花を咲かせます。明治頃に観賞用として輸入されていますが、日本各所に広まって帰化植物となったのは、雑草としての種のようで、その種類はいくつもあるようです。

その見た目から「愛らしい人」、強い繁殖力から「繁栄」、「豊富」などの花言葉を持ちます。綺麗な花でしょ。

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大犬の陰嚢(オイヌノフグリ)


オオイヌノフグリは春になると田んぼの畦道や道端などで見かける、コバルトブルーの小さな草花です。2月中旬から見かけるようになり、3月上旬にピークを迎える、ヨーロッパ原産の帰化植物で、アジア、アメリカ、アフリカ、オセアニアなど世界中の様々な地域に分布しています。日本に入ってきたのは明治時代と推定されています。

直径5mmほどの、小さくも鮮やかなコバルトブルーの可憐な花。その“オオイヌノフグリ”という和名の由来が「種子が犬の陰嚢(2つの玉)に似ていたから。」というのは少し残念な気もします。オオイヌノフグリという和名で有名な花ですが、学名はベロニカ(Veronica)。聖ベロニカの名です。十字架を背負い歩かされるイエスキリストの額の汗をハンカチを差し出して拭った女性の名です。

その花言葉は「信頼」「神聖」「清らか」「忠実」です。また和名では天人唐草、瑠璃唐草、星の瞳などの別名もあります。どこでも見かける草花のようですが環境省のレッドデータブックでは絶滅危惧II類に指定されています。毎年、春一番を知らせるコバルトブルーの小さな花が、いつまでも絶えないことを祈らんばかりです。

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